正式依頼に際して

正式に売掛金回収を依頼するとなれば、当然所定の費用負担が発生します。このシステムや設定金額は弁護士側が自由に設定する、いわゆるオープンプライスであり、法的に上限が定められるものではありません。着手金、弁護士が負担した通信品などの実費、成功報酬など、幾つにも分かれた費用負担が発生し、回収を希望する未回収売掛金額や、最終的に回収が叶った金額に対し、弁護士から依頼者への請求額が変動するケースも多く、事前に計算方法とその理由など、十分に説明を受け、正しく理解しておきましょう。

こうした費用面の確認作業を進める中、時に未回収売掛金額とのバランスから、仮に回収出来たとしても弁護士費用で大半が相殺されてしまう、更には依頼する時点で「足が出てしまう」すなわち費用負担だけが新たに発生すると試算されるケースも見られます。誠実な弁護士であれば、こうした最終的なメリットとデメリットを踏まえ、相談のみに対応から依頼を辞退される判断を下される展開も想定されます。弁護士に依頼する事で回収の可能性は一気に高まる半面、プロフェッショナルに仕事を依頼する上で発生する費用面とのバランスから、必ずしもベストな選択とは言えない展開も想定されます。弁護士はあくまで、最終的な着地点に於ける依頼者の利益と不利益を見据えてアドバイスを届けてくれますので、しっかり傾聴から意図する内容の理解に努めてください。

弁護士選択のポイント

売掛金回収を相談する弁護士の選択に際しては、幾つかの着眼点を見過ごさず、その後の連携など中長期的な展開を想定の上、候補となる弁護士事務所を絞り込んで行くのがベストです。まずは弁護士にも各々得意とする分野が異なります。債権回収関連に強いと公式サイト上で明記している、あるいは信頼に値する実績が評判であるなど、より全幅の信頼を寄せて相談出来ると思われる相手で先を選択してください。

また実際に相談に足を運ぶ、仮に正式に売掛金回収を依頼後のコミュニケーションを視野に入れ、面談に時間や労力を要する、極端に遠方の弁護士は回避が賢明です。電話その他でも意思疎通は可能ですが、やはり直接面談が誤解や誤伝達防止に繋がり、より確実な早期解決に繋がります。

また多くの弁護士事務所が積極的に無料相談を実施していますので、これらを活用するのも一案です。但しあくまで「相談」であり、無料で具体的に解決に向けてアクションを起こしてもらえる訳ではありません。無料解決サービスと混同して捉えてはならず、具体的な解決に向けて正式依頼した際の、費用面その他の説明も面談時間内に届けられる、新規依頼者獲得の目的での無料相談である点を正しく理解の上、限られた時間を有効活用してください。

現状を整理確認する

売掛金の未回収が発生する理由として、どうしても取引先の未払いを真っ先に挙げる傾向が見られますが、請求額を誤って伝えていた、更には請求自体を起こしていなかったなど、
自身側のケアレスミスが原因というケースも見られます。日々新たな売掛取引が発生し続ける中、人為的ミスから自社内で異なる数字上の認識が生じ、このズレが未回収という形に反映されてしまう流れです。こうした状況下で十分な確認作業を為さぬまま、いきなり相手方へ督促してしまえば、自ずと心象的なマイナスが否めません。

売掛金未回収への対応に際しては、先ずは十分な確認作業が不可欠であり、弁護士への相談を視野に入れ、現状を整理する中でその事実が発覚する展開もゼロではありません。問題解決には真実を全て弁護士に伝え、間違いなく現状を確認して貰う作業からの着手が欠かせません。実際に相談に臨むに際しては、数字面を含む現状とそこに至るまでの経緯、その他想定される弁護士からの質問に対する回答の準備が求められます。弁護士が売掛回収に腰を上げるとなれば、売掛金回収と引き換えにその後の取引が終了してしまっても止むを得ないとの決断も必要です。無意味に放置は出来ませんが、自社として最悪取引先を失うリスクも含め、総合的な判断に努めねばなりません。

売掛金回収の重要性

私達が事業を営む経済社会は、信用社会すなわち「取引先や顧客を基本全て信用する」相互姿勢を前提に成り立っています。それは飲食店を訪れる来客は、退店時に請求額を当然支払ってくれるとの「信用」あればこそ、オーダーに応じたメニューを提供しています。あるいは公共苦痛機関に関しても、ダイヤグラムに示された通りに発着から、確実に目的地に運んでくれるとの信用あればこそ、予約や前売兼購入が出来るのです。

こうした信用は事業所同士すなわち企業間に於いても同様です。大きな金額の取引に会しては、その都度の現金決済ではなく、売掛に対する指定期日の決済なる「信用取引」が中心となっています。その都度の現金決済に際しての時間労力のカットのみならず、繰り返される作業が生じさせるケアレスミスの抑制効果も含め、所定の締日に対しての支払期日を双方合意の上で設定から、互いが確実にメリットを得られる取引環境が構築されています。

ところが何らかの理由で支払期日を過ぎても入金が確認出来ないケースが、予期せず生じるのもまた経済社会の現実です。何らかの事由で決済が困難となった場合、相手先が謝罪と状況説明を速やかに届けてくれるとは限りません。いきなりの強引な督促は良好な関係の崩壊に繋がり、自社側にとってもデメリットが否めず、繰り返しの督促には慎重を期ずを得ない状況下、結果大切な売掛金回収が叶わぬ状況のまま、時間だけが経過してしまう展開が水面下で後を絶たないのも、私達が暮らす経済社会の一面です。ここでは大切な売掛金回収方法に窮した際に、弁護士に相談から依頼する選択肢と、そのメリットについてご説明申し上げます。